製作年 1984年(昭和59年)
作品名 麻雀放浪記 昭和59年度文化庁芸術祭参加 角川春樹事務所・東映提携作品
スタッフ 製作/角川春樹 原作/阿佐田哲也(角川文庫版) 監督/和田誠 脚本/和田誠・澤井信一郎
プロデューサー/三堀篤 撮影/安藤庄平 美術/中村州志 照明/梅谷茂 録音/宗方弘好
編集/西東清明 監督補/蔦林淳望 記録/山之内康代 音響効果/原尚 擬闘/西本良治郎
助監督/長谷川計二・坂本拓也 装置/浜中一文 装飾/安永紀征 背景/松下潔 美粧/井上守
美容/石川靖江 衣装/内山三七子 麻雀指導/桑原靖太・桜井章一・荒正義 
宣伝プロデューサー/福永邦昭 宣伝担当/小宮山謙・中村範子 スチール/遠藤功成 
音楽プロデューサー/高桑忠男・石川光 製作調整/山田光男 演技事務/鎌田賢一 
音楽事務/新井明美 進行主任/高井義典 特撮/成田享 計測/池田健策 
照明助手/増川弘邦 録音助手/渡辺一夫 美術助手/小澤秀高 ネガ主任/中野博 
進行/山田稔 現像/東映化工 協力/かきぬま・東映美術センター
製作/(株)角川春樹事務所・東映(株)
キャスト 坊や哲/真田広之 ドサ健/鹿賀丈史 まゆみ/大竹しのぶ ママ/加賀まりこ 上州虎/名古屋章
ゼゲンの達/加藤健一 出目徳/高品格 
●チンチロ おりん/内藤陳 チン六/吉田良全 禿げ/篠原勝之 角刈/城春樹 鉢巻/天本天世
モンペの老人/佐川二郎 
●オックスクラブ 鈴木/笹野高史 アメリカ人A/グレン・ブース 同B/サムエル・スローン
宣伝社の男/村添豊徳 設計士/木村修
●横浜のクラブ テディ/鹿内孝 白人A/ダフ・クルウェル 同B/エンベル・アルテンバイ
●龍 「龍」の主人/山田光一 荘家/逗子とんぼ 北家/宮城健太郎 男/泉福之助 
眼鏡の男/須賀良 パイプの男/沢田浩二 
浮浪児/瀬田義久 「かにや」の親爺/相馬剛三 夜の女/香野麻里 健の手下/酒井務 
おかみさん/山本緑 出目徳の妻/松浪志保
公開日 10月10日〜
配給 東映(株)
備考 テーマ・ソング/キングレコードK07S-615(東京の花売娘/岡晴夫)
ビデオ/角川ビデオ・東映KV-F010

 

※パンフレットより、おいしいとこだけ(^^)抜粋
キャスト: ○「映画では原作にない、単にクールなだけではなく人に見せない弱い部分、だらしのないところも出してみたい」と言っていた鹿賀丈史。また、「ドサ健の生き方や博打には彼独自の哲学があり、非常に魅かれるキャラクターなので、あまり魅かれすぎないように、と思ってるくらい」に役柄に惚れ込んでいる。
麻雀は好きだが、去年半年間で役満を14回も出してコワくなって今はやめていると言う。サウスポーの牌さばきも、プロの麻雀士から何なくOKが出た。
が、最初のうちは、「そんな芝居はいりません」と和田監督に言われ、出演者のほとんど全員が演技を削ぎ落とされた。自分の演技プランが全て、和田演出によって白紙に戻されて行く苛立ちは多少あったようだったが、第一回の試写を観て、思わず「和田監督、バンザイ!」を叫んだのは鹿賀丈史だった。「和田監督はとてもシャープ」という鹿賀の代表作の一つに上げられることだろう。
阿佐田哲也インタビュー: ○――「麻雀放浪記」の中でも、ドサ健というのは、主人公の坊や哲以上に強烈な印象を読み手に与えますが・・・・・。
阿佐田:これはいつの時代もそうなんだけど、あの時代も”戦後派”と呼ばれた新しいタイプの若者たちが出て来たのね。その中のいちばん一般的な愚連隊というか、ぐれた若者の典型としてドサ健を創った。
鹿賀丈史さんのドサ健は、空襲のあたりで下町にいた職人の子供かなんかで、家族がもういなくなっちゃってて、不浪児のちょっとひねたという感じがよく出ていた。あれがキリスト(鹿賀さんはS48年から7年間にわたって、四季「ジーザス・クライスト・スーパースター」でキリストを演じてきた実績がある。)をやってたとは思えないくらい(笑)。サウスポーがまたカッコいいのね。鹿賀さんがいたならば、さぞかし原作を書き易かったろうなと思うね。
新人監督日記/和田誠: ○昭和59年7月23日
今日の出演者はドサ健の鹿賀丈史と手下の酒井努と達の加藤健一の三人。役者の出る撮影は、このシーンが最後である。
天気があまりよくない。家を出る時はよかったのだが、どんより曇っている。このシーンは真夏の日射しの強い日でないと、面白くないのだ。三カットだが、雲の晴れ間を待って、一カットずつ撮る。一カット撮り終えないうちに雲がかわったらしく、なかなかはかどらない。天気待ちで退屈そうにしている鹿賀丈史に「天気には勝てないから」と声をかけると、「ねばりましょうよ」という返事が返ってくる。いい感じである。どっちみちねばるのだが、「いやんなっちゃう」といった言葉をきかされるのとは、こちらの気分が違う。
天気をだましだまし、という感じでこのシーンを撮り終えたところで、クランク・アップの記念撮影。正確にはまだクランク・アップではないけれど、役者が出るのはこれが最終ということで、一応、完成記念と銘うった撮影。広之君、しのぶちゃんたちがいないのが残念である。